===制度を通して構造を見る===

 国際関係は常に激動している。経済ニュースは驚きの連続だ。過去の軌跡を振り返るのはたやすいが、いまを分析するのは難しい。情報が不十分だから、ではない。
構造の中に立ちながら、構造の変動を覚知するのは容易ではないのだ。

 構造は過去から未来へとつながるが、単線ではない。複線的かつ立体的に絡み合いながら連続する有機体である。構造をじかに見るのは困難だ。そこで、本サイトは構造を具現するものとして制度に注目する。制度の出現と盛衰、補完関係の変化を俯瞰することで構造を覚知しようと試みる。

 制度の変化といっても、一度にすべてが入れ替わることはない。ある制度は役割を終え、ある制度は形を変えて残り、また別の制度は新しい条件のなかで重要性を増していく。それぞれの制度は補完と依存の態様を、時間をかけて徐々に変えていく。

 個別の制度の変化ではなく、市場・国家・企業の関係のあり方が、広い範囲で同時に組み替えられれば、ビッグバンと呼ぶにふさわしい事態である。

 制度は単独では機能しない。補完し合い、均衡して初めて十全の役割を果たす。制度そのものもさることながら、補完性の変化と均衡点の移動が同時多発的に起こるとすれば、資本主義の大変革につながる可能性がある。

 目の前で始まっているイベントから目をそらすことはできない。

===本サイトの目的===

 本サイトが関心を向けるのは、個別の政策の是非ではない。政策決定過程の背景にある変化を観察し、論じる。市場のあり方を形づくる条件がどのように変わりつつあるのか、に興味がある。

 経済安全保障も、産業政策も、企業戦略も、それぞれが影響し合いながら結果が表れる。個別のニュースではなく、背後を貫く構造をみること。そして、変化に気づくこと。それが本サイトの出発点であり、ゴールである。

 いま何が起きているのかを、できるだけ正確に理解したい。変化の過程にいるからこそ、である。本サイトは、できるだけ静かに、継続的に観察していく。未来予測や陰謀論には与しない。

 外部観察者の視点から、構造の変動を描き出すことに成功すれば、日本の針路がみえてくるはずだ。